2017年1月21日土曜日

*ヒヨリブロートの厨房の話:オーブン*

もしかすると誰かの参考になるかもしれない。
自分の厨房のことをぼちぼち書いていこうかと思います。
マニアックな方だけ読む回です。
まずは、やっぱりパンを焼く上で欠かせないオーブンの話。
愛工舎のMIWE(ドイツ製)のコンドというデッキオーブンを使っています。
電気の平窯と言われるものです。
大きさはフランス鉄板(40×60)が4枚入るサイズ1段です。
中古で愛工舎さんに探してもらい、整備をして納品いただきました。
修業先のシニフィアンシニフィエの頃に使っていたオーブンは、ルクセンブルグハインという日本でも数台しかないオーブンで、ガスでオイルを熱し、それを循環して温めるという特殊なものでした。
フランス鉄板が一段に7枚。それが4段。
オーブンのロールスロイスと言われていると教えてくれたのは北海道のエグヴィブの丹野シェフだったかな。
へ―そんな風に言われているんだ。笑。
私ったら、ロールスロイス乗り回してる~。
なんて当時は思っていましたが、離れてみるとよくわかります。とにかく高級で、とにかくでかくて、そのかわり、性能もいい。
そんなオーブンが私の最初だったものですから、正直、かなり迷いました。国産のオーブンも使ったことがなかったし、かといって、ハインは絶対に買えない。
オーブン選びのポイントは、以下の3つでした。
 ・炉床で直焼きするハード系が多い→炉床の質大事
 ・大きいパンを焼く→蓄熱の良いもの
 ・ドイツパンを焼く→蒸気をもりもりに出せる
ここで参考になったのは、いろいろとお邪魔させてもらっていた先輩方のお店のオーブンたち。やはり使っているところを見られたり、少し使わせてもらえたりするのはいいものです。
やっぱり、ウェルカー(ドイツ製)か、ボンガード(フランス製)かMIWEか、国産ならトクラか、、、ということになりました。
外国製のオーブンはハード系の本場なので、焼きやすそうだったことと、総代理店が日本にあることがポイントでした。他にもいい外国製の窯はいろいろあるのですが、故障した時の修理に時間とお金が膨大にかかる可能性があるのです。
そして、トクラのオーブンはいくつかのお店で見させてもらった事、島根のベッカライコンディトライヒダカにヘルプに行っている間、がっつり焼かせてもらっていたことで性能はお墨付きでした。
よし、後は、中古でよいものと出会ったら、それにしよう!
と思った矢先に、愛工舎さんから連絡が。
「365日の平窯が中古でありますよ。まだ整備前ですが。」
もう、運命でした。
365日といえば、杉窪シェフの名店。
中古で買う場合、最初に使っていたお店の扱いで機械の質は全くかわりますから、これは安心して使えます。
でもね、ちょっとだけ迷ったんです。
フランス鉄板6枚~8枚分の容量がほしいなぁと思っていたので、4枚分か、、、というところです。
背中を押してくれたのは、ボネダンヌの荻原シェフ。一人でやって、通販のお店なら1段でもいいよねぇ、って言ってくれて。
結果は、十分でした。
もちろん、2段あったらいいなぁってこともあります。私のパン焼きは結構攻め込むので、蓄熱が足りなくなったり、連続で窯入れできなかったり、蒸気が枯渇したり、同時並行で別の温度帯の物焼けなかったり。
ただ、それを工夫するのが面白いのです。やりようはいくらでもある。
もっと忙しくなって、誰かと一緒にやる時が来たら、このオーブンはなんと5段まで追加もできるのです。
ほんと運がよかったな。。。
あ!一つだけものすごい不満があります!!!
スリップピールが相当重い。。。
と最初思っていたのに、最近は何も思わない。
結果、腕の筋肉がムキムキ。。。女子なのに。。。
ドイツ仕様なので、とっても頑丈ですが、重さは誰も気にしなかったのだと思います。
もし、一度MIWE使ってみたい、触れてみたいと思った方がいらっしゃいましたら、大歓迎ですので、ご連絡ください。

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