2016年11月7日月曜日

*パン酵母の話し*

長いので、興味のある方はどうぞ。
このたび、ヒヨリブロートに新しい酵母が仲間入りしました。
フランスでルヴァンと言われる、小麦粉からおこした酵母です。ドイツの有機の小麦粉から作りました。これから先、なんの粉で育てていこうか、まだ模索中です。
そもそも、酵母とはなんぞやと申しますと、パンを膨らませているのはこの方達。パン生地の中で生活していて、数を増やしたり、息をしてパンをふくらましたり。で、役目を終えると、焼かれて食べられてしまう健気な人達です。
お菓子のベーキングパウダーは化学反応、パン酵母は生き物というのが、お菓子とパンの似て非なるものなのです。
では、世に言われる天然酵母とかイーストってどんな違いがあるのでしょうか。
天然酵母は素晴らしく、イーストは悪者なのかしら。
答えはNOです。大手製パン工場のパンの多くがイーストで作られていますが、これ自体はまったく悪者ではありません。
例えるならば、、、
イーストはメジャーリーグのヤンキース、天然酵母は草野球チームという感じ。
イーストはとにかく能力が高く、能力が高いものだけを集めて育てているので、短時間で安定したパンを焼くのに適しています。
一方の天然酵母と言われるものは、実はサッカーの方が得意、、、なんて子もいれば、打てるけど守備はボロボロ、なんて子もいるのです。でも、みんなが助け合うことで、ゆっくりだけど、味のあるパンを焼くことができます。
そしたら、本当に体に悪いのはなんでしょう?イーストの発酵を早めるためのイーストフードと言われるものはどうやら良くないみたいです。ドーピングみたいなものですものね。そりゃあ良くないかもしれませんね。
でもね、今時の大手さんのパン、使われているの見たことありません。大手の企業努力って心底すごいなぁと、いつも感心させられっぱなしです。値段も安くて、極めて清潔に作られているので、長持ちもする。私のような個人店は、絶対に越えられない世界です。
さて、ではヒヨリブロートですが、この度のルヴァンの完成までは、イーストだけでやってきました。
ただし、スター選手なので入れる量は本当にちょっぴり。ホームベーカリーの一般的なレシピの30分の1ぐらいの量だったりするので、4番バッター1人で、ピッチャーもキャッチャーもなんなら、トレーナーも監督もやらなきゃいけないくらいです。スタープレーヤーも、ゆっくりしか仕事は進みません。
そうするとね、遅すぎて、芝生ものびちゃうし、そこに鳥もきちゃうし、蝶々も飛んじゃう。なんて具合に、ゆっくりだからこそ出てくる味が生きてきます。
私が1人でやるにはとてもいいペースなのです。
さて、ルヴァンが完成したことですし、草野球チームも本格始動。時には草野球チームにメジャーリーガー混ぜちゃったりして、球を打たずに蹴っちゃったりしながら、ゆっくりパンを作っていきたいと思います。
ま、現実はパタパタぱたぱた走り回っているのですが、、、。酵母達の奴隷❤️なのです。

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