2016年8月16日火曜日

*田中葡萄園&モヌッカでの滞在日記*

島根県益田市にある田中葡萄園とパン屋さんのモヌッカにお世話になってきました。山陰本線の線路沿いにある葡萄とパンとコンフィチュールを直売のみで製造販売しているご家族です。
到着したのは、お盆に向けて、配送、直売共に全盛期に入った頃でした。床一面に生まれたての赤ちゃんのように、やわらかな布の上に並べられている葡萄たちはそれはそれは、美しくて、色とりどりの輝きを放っていました。
田中葡萄園の特徴は、とにかく多種多様な葡萄を育てているということ。なんと、36種類もあるそうです。
自分の備忘録も含め、ここに覚えた葡萄たちを。
・モヌッカ
すでに苗の生産が終了してしまっている、今後幻の品種になっていくであろう葡萄。田中葡萄園のパン屋もこの葡萄の名前を冠しています。楕円の紫の実は小ぶりながら、甘く、皮のえぐみも少なく、ワインやチーズと一緒に食べるのに最適。ただし、3年に1度しか成功しないと言われるほど難しい品種なのでそうです。どうか、来年も再来年も10年先も食べ続けたい葡萄です。
・アルフォンスラバレー
まん丸の小さい濃紫の実は、皮が極度に薄く、果肉がみずみずしいので、薄く亀裂が入るほど。そこにうっすらと糖分と酵母と思われる茶色のかさぶたが、再び皮になり実を守っているのがわかります。濃縮された葡萄。私の中ではそんなイメージ。時々種がありますが、それを噛んでしまった時の苦い味も、この葡萄の生命力を表しているようで、大好きになりました。
・ハニーブラック
もう、名前だけで惚れますよね。黒い蜂蜜。大粒の美しい躯体に透明感のある翡翠のような実。はぁ。ため息。実は小粒の葡萄が好きな私が、今回一番衝撃を受けたのがこの葡萄。イメージはれんげ蜂蜜。とろっとしているのに、食べた後は驚くほどすっきりしています。皮がおいしくて、丸ごと食べてしまうけど、これは私の偏った愛情かしら。。。
・ゴールドフィンガー
花火みたいな葡萄。って、ひとつも伝わらない気がしますが、きっと見た人は伝わるはず。黄色にほど近い緑の細長ーーーーい実が房になっている様子は、夜空に広がる金色の花火のようなのです。こちら、とにかく、とにかく甘い。一度食べたら、この金色の指に翻弄されてしまうのは仕方ない話。
・竜宝
薄い赤紫の大玉。なんと、田中葡萄園で唯一、配送を承れないここで買うしかない葡萄です。それでいて、田中家がこれ一本で勝負してもいいと思ってしまうほどの魅惑の葡萄です。
理由は簡単。デリケートすぎるのです。もう、そこに置いているだけで、実の付け根から果汁があふれ出すほど。売店には、この葡萄だけを狙って、「竜宝ありますか?」と名指しで買い求める人が後を絶ちません。
狙っているのは、人間だけではありません。なんと野生動物たちも、この葡萄だけを狙ってくるほど。
暑く、からっからになった体に、この葡萄の一粒が一気にしみわたっていくのがわかります。しっかり冷やして、一粒で最高のスイーツに。
サンシャインマスカット、瀬戸ジャイアンツ、マーナイツ、イタリア、ロザリオビアンコ、ゴルビー、安芸クイーン、ミニ甲斐路、オリエンタルスター、マスカットビオレ、ジーコ、ブラックビート、巨峰、ティアドロップ、、、
私がお世話になった1週間でもこれだけの葡萄と接する機会がありました。が、まだ倍の種類があるとは、、、恐るべし。田中葡萄園。
果物はやっぱり甘くておいしいので、虫も菌も大好物。それを、極力農薬を減らし、ミミズが作ってくれる天然の液肥をまき、ひとつづつ花の選定をし、紙をかけ、糖度がしっかりのるときを見極めて収穫し、大事に包み送り出す様子は、真面目な日々の努力と愛情が込められているのを感じます。
朝起きてから寝るまで、同じ葡萄を見つめ、同じ葡萄の夢を語る。田中家の皆さんは、それをとても誇りに感じ、楽しんでいらっしゃるのが伝わってきました。
今年、田中葡萄園に新たな一歩が始まる予感。私も家族の端くれになった気持ちでワクワクしています。
最後に、田中葡萄園のスタッフさんがなんと、30年越え選手なんだそう。このご家族と一緒に夢を追いかけてきた方々。あー、なぜか涙が。もし、ご興味がある方がいらしたら、ご一報ください。長い年月をかけて培ってきたものの一端に触れさせてもらい、胸が熱くなりました。
実は、この葡萄でヒヨリブロートも一つやってみようと思っていますが、、、それはまた別の話。またの機会にお話ししましょう。
写真にも説明を加えていますので、ご覧ください。
田中葡萄園 & モヌッカ(パン屋)
http://www.monukka.ecweb.jp/index.htm
田中家、次藤家の皆様に愛を込めて。

枯れたように見えるしわしわの細い幹から、どうして、これほどに大きな葡萄が実るのだろうか。
朝の空気の中で、
神聖な美しさ。
まだまだ理解できていないけど、葡萄の品種や色によって、包む紙の種類が違います。
色が付きにくいけど、美しい
赤系の品種はどうやら、透明ってことはわかりました。
の遠くなるような作業の上に、この実りがあります。
ジャムにすべく、実を割って種や筋を取り除いた葡萄たち
うっとりするほどに美しいのです。当然すべて手作業。
なんとも贅沢なコンフィチュールになります。

お砂糖と合わせて、一晩、ゆっくり果汁を引き出します。キラキラして、美しい。うっとり。
モヌッカのシェフ、かえさんとの朝食。なんて贅沢。おいしいパンと葡萄。

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