ラベル 厨房づくりのこと の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 厨房づくりのこと の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年5月21日日曜日

*ヒヨリブロートの厨房の話 ドゥコンディショナー*

パン屋の機械のひとつが「ホイロ」とか「ドゥコンディショナー(ドゥコン)」と呼ばれるもの。
ヒヨリブロートのパンは、イーストを使用しているものも、通常のストレート法のパンに比べると、とても少ない量で発酵させているので、安定的に発酵させるために、この機械が相棒です。
庫内の温度と湿度を一定に保つ機械で、ホイロは基本温めるのみ。ドゥコンディショナーは冷凍から解凍、発酵を自動で行うことができる装置です。
ヒヨリブロートにあるのはドゥコンディショナーというもの。ただ、冷凍生地を使うことが今のところないので、結果的には10℃~28℃の間で一定の温度を保つためだけに使っています。
これは福島工業のもの。これを選んだ理由は、修行していたシニフィアンシニフィエで使い慣れていたから。
実は、この機械の制御装置もそれぞれの会社によって癖があって、温度が高め、もしくは低めに引っ張られがちのもの、設定温度に対してのバッファーが大きいもの小さいもの、湿度のバランスなど、慣れるまでしばらく時間がかかる機械だったりします。
福島工業のものが他の会社のものに対してどうかということは、あんまり使い比べたことがないので、何とも言い難いですが、少なくとも、私のパンを作る分には完璧な動きをしてくれています。
もし、これから選ばれる方がいらっしゃったら、必ず気にしたほうがいいのではと思うのが、掃除のしやすさです。
酵母が発酵しやすい温度と湿度は、つまり雑菌にとっても居心地のいい環境だったりします。特に黒カビは、、、パン屋の敵。
福島工業の機械は継ぎ目が少ないので、拭き掃除がしやすいですし、かなり多くの部品が取り外せて洗えるので、とてもありがたいのです。
そして、これはちょっと機械やさん的にはどうかわかりませんが、、、ヒヨリブロートは週に1回くらい、沸騰したお湯を全体に流すようにしています。
これだけで、この奥の方のカビたちをずいぶん抑えられている気がしています。酵母量を極力少なくするということは、他の菌たちが酵母より先に増えてしまう可能性が高いということでもあるので、一段とホイロの清潔さには気を使っています。
今日もピッカピカのドゥコンで生地たちは眠ります。
実はコンデンサーのある機械の上側の掃除がすこぶる大変なのですが、、、それはまた別の話。またの機会にお話しすることにしましょう。
それでは、明日から旅の期間へ。行ってきます!!

2017年3月29日水曜日

*石臼挽き始めます*

先週から、こっそりトライしておりました石臼での粉挽きですが、回転するが、粉がひけない事態に悩まされておりました。
そこで、相談したのは蕎麦屋の兄貴。らすとらあだの日比谷さん。この臼は、もともと蕎麦用石臼のメーカーさんによってつくられていたからです。
いくつか、チェックポイントを教わるも、やはりダメ、、、。これは業者さんに来てもらわねばならないか、、、と思いましたが、日比谷さんより石臼メーカーの方を紹介してもらい、動画で現状を見てもらいました。
あ、詰まってますね^_^簡単に外せるので、目を掃除してみてください、と。
早速工具をそろえ、教わった通りに分解しました。構造がわかると、なおさら楽しいものです。ワイヤーブラシとマイナスドライバーと歯ブラシを駆使して、掃除完了。
無事に全粒粉がひけるようになりました。
お披露目は、4月1日2日の、岡山県西粟倉村フレル食堂でのイベントにしようと思っています。
お楽しみに。
なお、この石臼は、北海道十勝の老舗、満寿屋さんより譲り受けました。十勝で採掘される麦飯石という石で、小麦用にカスタマイズされています。この石は皮膚炎の漢方として使われていたり、水質を改善する作用があるそうです。
パンにも良い影響があるかもしれません。
お譲りくださった満寿屋さんに深い感謝と、困った時に快く手を差し伸べてくださった日比谷さん、ミツカ関東の柴辻さん、ありがとうございました。
大事に末長く使って行きたいと思います。
余談ですが、石臼の分解は重いので、男性に協力してもらった方がいいかもと、言っていただきましたが、めでたく1人で問題なく作業を終えました。か弱さを発揮できなかったのが心残りです。
自動代替テキストはありません。画像に含まれている可能性があるもの:食べ物
自動代替テキストはありません。

2017年2月10日金曜日

*道具のこと スケッパー*

この青いスケッパー、只者ではないのだ。志賀シェフご愛用。私も他のを使っていたが、友人にプレゼントしてもらったら、もう、彼のいない生活には戻れない。

2017年2月2日木曜日

*オーブンの話 その②*

前回のオーブンの話が、思った以上に反響が大きくて、続編を書きたくなりました。今日は、修業先シニフィアンのオーブンとオーブン担当の話。
ながーーーーーいので、ご興味ある方はどうぞ。
というのも、昨日、両手の平に軽くやけどをしました。
全く焦っていないタイミングで、パンの網の上から炉床を触って、その隙間が火傷、という笑えるもの。
軽傷すぎて、気にするほどでもないのですが、思わぬところで、くだらない火傷をしちゃうって、パン屋あるあるな気がしています。
そこで、シニフィアンシニフィエ時代に、初めてオーブン担当をやらせてもらった頃のことを思い出しました。
自分で言うのもなんですが、見てられないぐらい腕が火傷だらけになったものです。ついでに、日々、何かを焦がす夢を見て、うなされる。。。笑。
みなさま、パン屋の腕に出来立てほやほやの火傷の跡があったら、それは実はまだオーブンに慣れていない恥ずかしいことなので、どうかそっとしておいてあげてくださいね。
その火傷で思い出したからか、久しぶりにシニフィアンシニフィエのオーブンを使っている夢を見ました。
以前にちょろっと書きましたが、シニフィアンのオーブンはルクセンブルクハイン社のロールスロイスと言われている窯。
残念ながら、探してみたのですが、写真は私の携帯には残っておりませんでした。
とにかく大きくて、現在、私が使っているオーブンの約7倍の大きさ。1段にフランス鉄板7枚分が4段。それを左右で片側づつ窯入れしていきます。私たちは8回窯入れをするので8窯と呼んでいました。一番上の段は、若干背伸びをしてパンを扱っていました。
とにかく大きいこと、オーブンの土台部分が煉瓦で組まれていること、ガスで熱したオイルを循環させていることから、このオーブンは次々にパンをいれようが、しばらく扉を開けて作業していようが、温度はほとんど下がりません。270℃設定で多くのパンを焼くのですが、上火も下火も全部の段これしか設定できないという不器用っぷり。
それはそうです。ドイツのパン屋さんを見ている限り、ひとつのパンが生地の重さで2キロは当然。それを100個単位で焼いていくので、こういう窯でないと美味しく焼けない。
おかげで、写真ような巨大なパンが本当に本当に美しくおいしく焼けたものでした。残念ながら、今使わせてもらっているオーブンではこの焼き色、焼き上がりは実現できないと思います。
(やはり、小さいので蓄熱が圧倒的に足りない。その分、一生懸命電熱線を働かせるので、表面ばかりに濃い焼き色がついて、側面や中側への火の入り方が違います。)
先日、お客様にご指摘いただいた、火入れが甘いという部分も、ひとつはこのことが原因。(一番は、それを感じきれなかった自分の腕ですが。汗)
そのぐらいオーブンというのは、パン屋の味を決める、最大の要素ではないかと密かに思うのです。
でも、シニフィアンシニフィエのパンたち、さすがにすべてこんな大きさのパンではありません。しかも、日によっては、同じパンを30個焼くこともあれば、2個しか焼かないなんて日もある。
ここから先は、自分でもどうやっていたのか、はっきり思い出すことができないのですが、8窯分、数も大きさも違うパンを焼いているのです。たいがい8種類、時には10種類近くが同時に焼かれています。当然、一つ一つ焼き時間が異なり、いれる数が違えば、焼き時間も入れるべき蒸気量も変わります。小さいパンなので、底が焦げてしまうので、途中で網に乗せて、均一に焼けるように、場所や方向を変えたり。
それを瞬時に判断しながら、一回転が終わる前に、次のパンの発酵具合をチェックして窯入れをしていく。暇があれば、生地の分割成型も手伝いにいって、この後、何のパンがくるのかチェックしつつ、、、。
夢はとてもリアルでした。シニフィアンの夜勤は志賀シェフと2人っきりの日から、多いときは4人体制の時まであって、私が十分にオーブンに慣れてからは、シェフと私はほとんどしゃべらず、ただただ黙々とお互いの作業をしていました。
慣れるまでは、次あれいれろーとか、今日の○○はちょっと柔らかいから急げだの、後何窯空いてるかー?とか、声をかけてもらって焼いていたのですが、5年目くらいからは一言もしゃべらなくてよくなりました。
見て、頭で考えるというよりは、スポーツに近い。体が感じて、瞬発的に動いている感じ。
ぴたっと、オーブンと自分の息が合うと、死闘のように忙しい日がとにかく楽しくて、楽しくて、その日の仕事が終わると電池が切れて、玄関で靴を脱ぎ途中で寝ていたりしたものでした。
こんな素晴らしいオーブンですが、なんせ日本に数台しかないオーブン。故障した時は大変です。
蒸気が出なくなって、窯の中にお湯を撒きながら焼いてみたり(電気窯は壊れます。炉床もこのハインの窯は一枚の石なので大丈夫ですが、スレートの物は割れます。)、温度計が壊れて、手動で加熱とストップを行いながら焼いたり(腕をオーブンに入れて、10秒でチリチリしだすぐらいがバゲットにいい温度。私の場合ですが、、、)、一度だけは全く動かなくなって、仕込んでいたパンがすべてボツになったこともありました。
実はこの経験がとても貴重で、私は旅するパン屋という形態から、時々、オーブンをお借りしてパンを焼く機会があるのですが、どんな状況でも、どんなオーブンでも焼けると思えるようになったのは、あの大好きなワガママオーブンのおかげだと思っています。
もし、ルクセンブルクハインのオーブン買いたい方がいらっしゃいましたら、喜んでおつなぎいたしますので、お声かけください。
最後に、実は、もっとすごいオーブンがあるらしいのです。ホイフトっていうメーカーのオーブンらしいのですが、、、。いつか、その窯で、死闘のように忙しい一日を過ごせる日がくるといいな。志賀シェフが買いたくなってくれるのを、こっそり楽しみにしています。
このシリーズ、もう一段、今度は薪窯の話を予定しています。

2017年1月23日月曜日

*ヒヨリブロートの厨房の話 オーブン横*

今日は、なんだかちょっと眠いので、短めの小話を。
意外と実際やろうとすると困るのが、こういうところじゃないかと思うところ。
オーブン周りの道具の収納の話。
これは私自身のアイデアではなくて、大家さんのアイデア。
とっても簡単な話、ポールを取り付けて、S字フックをぶら下げたのと、もう一つが秀逸。
なんとこれ、マイクホルダーなのです。
木のピールはもちろんのこと、大型のスコップ(こちらもオーブンの付属品で、ドイツ仕様のせいか、結構重い)をひっかけてもびくともせず、ゴムの緩衝材までついているので、とても快適です。
これは、かなりオススメ!!です。
では、みなさまよい夜を。
すばらしき大寒。

2017年1月21日土曜日

*ヒヨリブロートの厨房の話:オーブン*

もしかすると誰かの参考になるかもしれない。
自分の厨房のことをぼちぼち書いていこうかと思います。
マニアックな方だけ読む回です。
まずは、やっぱりパンを焼く上で欠かせないオーブンの話。
愛工舎のMIWE(ドイツ製)のコンドというデッキオーブンを使っています。
電気の平窯と言われるものです。
大きさはフランス鉄板(40×60)が4枚入るサイズ1段です。
中古で愛工舎さんに探してもらい、整備をして納品いただきました。
修業先のシニフィアンシニフィエの頃に使っていたオーブンは、ルクセンブルグハインという日本でも数台しかないオーブンで、ガスでオイルを熱し、それを循環して温めるという特殊なものでした。
フランス鉄板が一段に7枚。それが4段。
オーブンのロールスロイスと言われていると教えてくれたのは北海道のエグヴィブの丹野シェフだったかな。
へ―そんな風に言われているんだ。笑。
私ったら、ロールスロイス乗り回してる~。
なんて当時は思っていましたが、離れてみるとよくわかります。とにかく高級で、とにかくでかくて、そのかわり、性能もいい。
そんなオーブンが私の最初だったものですから、正直、かなり迷いました。国産のオーブンも使ったことがなかったし、かといって、ハインは絶対に買えない。
オーブン選びのポイントは、以下の3つでした。
 ・炉床で直焼きするハード系が多い→炉床の質大事
 ・大きいパンを焼く→蓄熱の良いもの
 ・ドイツパンを焼く→蒸気をもりもりに出せる
ここで参考になったのは、いろいろとお邪魔させてもらっていた先輩方のお店のオーブンたち。やはり使っているところを見られたり、少し使わせてもらえたりするのはいいものです。
やっぱり、ウェルカー(ドイツ製)か、ボンガード(フランス製)かMIWEか、国産ならトクラか、、、ということになりました。
外国製のオーブンはハード系の本場なので、焼きやすそうだったことと、総代理店が日本にあることがポイントでした。他にもいい外国製の窯はいろいろあるのですが、故障した時の修理に時間とお金が膨大にかかる可能性があるのです。
そして、トクラのオーブンはいくつかのお店で見させてもらった事、島根のベッカライコンディトライヒダカにヘルプに行っている間、がっつり焼かせてもらっていたことで性能はお墨付きでした。
よし、後は、中古でよいものと出会ったら、それにしよう!
と思った矢先に、愛工舎さんから連絡が。
「365日の平窯が中古でありますよ。まだ整備前ですが。」
もう、運命でした。
365日といえば、杉窪シェフの名店。
中古で買う場合、最初に使っていたお店の扱いで機械の質は全くかわりますから、これは安心して使えます。
でもね、ちょっとだけ迷ったんです。
フランス鉄板6枚~8枚分の容量がほしいなぁと思っていたので、4枚分か、、、というところです。
背中を押してくれたのは、ボネダンヌの荻原シェフ。一人でやって、通販のお店なら1段でもいいよねぇ、って言ってくれて。
結果は、十分でした。
もちろん、2段あったらいいなぁってこともあります。私のパン焼きは結構攻め込むので、蓄熱が足りなくなったり、連続で窯入れできなかったり、蒸気が枯渇したり、同時並行で別の温度帯の物焼けなかったり。
ただ、それを工夫するのが面白いのです。やりようはいくらでもある。
もっと忙しくなって、誰かと一緒にやる時が来たら、このオーブンはなんと5段まで追加もできるのです。
ほんと運がよかったな。。。
あ!一つだけものすごい不満があります!!!
スリップピールが相当重い。。。
と最初思っていたのに、最近は何も思わない。
結果、腕の筋肉がムキムキ。。。女子なのに。。。
ドイツ仕様なので、とっても頑丈ですが、重さは誰も気にしなかったのだと思います。
もし、一度MIWE使ってみたい、触れてみたいと思った方がいらっしゃいましたら、大歓迎ですので、ご連絡ください。